昭和58年、6月19日。
ここ雛見沢村では、“綿流し”と呼ばれる祭りが行われていた。
村から集めた布団や褞袍(どてら)を古手神社の巫女が祭儀用の鍬で切り裂き、小さく丸めた綿に願い事や一年の穢れを込めて川に流す、というものだ。
村の者は老若男女問わず、一年に一度の祭りに浮足立っていた。
…しかし、事件は祭りのさなかに起こった。